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研究テーマ

1.おぶせスタディ

超高齢社会となって久しい我が国において高齢者の健康維持、要介護予防は重要テーマとなっています。信州大学リハビリテーション部は2014年より整形外科、小布施町役場、新生病院と共同し住民運動器検診事業に取り組んでおり、高齢者運動器疫学研究「おぶせスタディ」としてその成果を国内外の学会発表や学術雑誌にて公表しております。おぶせスタディではロコモティブシンドローム、フレイル、サルコペニアといった高齢者の課題についての実態を明らかにし、それを今後の要介護予防に結びつけることを目指しています。

2.ロボットリハビリテーション

リハビリテーション医療においては、以前から医工連携が行われ新しい医療機器開発が行われてきました。当科では、新規医療機器開発には取り組んでいませんが、既存のロボットを使い患者さんの回復にどのような効果があるか研究しています。特に整形外科の術後患者さんにおける機能回復に対する新しいリハビリテーションプログラムの確立を目指しています。

3.骨転移症例における活動の維持

本院は悪性腫瘍患者の治療を積極的に行っています。その中で骨転移を生じると日常生活に支障をきたし、患者さんの生活に大きな影響を及ぼします。当部では、整形外科、放射線科と共同で骨転移ボードを設立しました。月2回の定期的なカンファレンスを開催することで、骨転移病巣に早期から治療を行い、病的骨折を予防することを目指しています。骨転移患者さんに生活指導や装具処方を行い、骨転移があっても患者さんの生活を維持する取り組みを行うなかで、骨転移症例に対する新しいリハビリテーションプログラムの確立を目指した研究を行っています。

4.インターバル速歩の臨床応用

スポーツ医学教室(増木静江教授)で確立されたインターバル足歩を臨床応用し、手術などの治療効果を高める試みを計画しています。運動効果や治療効果に影響を与える因子を遺伝子を含めて解析し、新しい知見の発信を目指します。この研究は、まだ始まったばかりですが信州大学における特徴的な研究に発展させたいと考えています。

5.脊椎・脊髄疾患に対する研究

脊椎・脊髄疾患では障害される病巣によってさまざまな神経障害が生じます。歩行は日常生活における基本動作のひとつですが、不安定な歩行は転倒につながり骨折などの発生リスクとなります。当科では、脊椎・脊髄疾患の手術症例に対して、歩行解析を行っています。また、頚椎手術における嚥下障害についても臨床研究を行い、より安全な手術が遂行できることを目指しています。